気温が下がり日照時間が短くなる冬。この時期は、布団も干す機会も少なくなりがちです。ダニが少ない季節とはいえ、寝汗をたっぷり含んだ寝具のケアは必要です。
人は睡眠中に汗をかき、布団は湿気を含んでいきます。 床面に布団を敷く方は、冬の間、床に接する布団が濡れているように感じたことがあるかもしれません。これは寝ている間に布団に吸収された汗が、冷たい床で冷やされ、結露として水滴になったものです。ベッドでは、汗を吸ったパッドやマットレスをシーツで包み、毛布や掛け布団で日中も覆っている場合、 パッドやマットレスは乾燥しにくく、湿気を多く含んだ状態になっていることが考えられます。
湿気を多く含んだ布団は、しっかり乾燥させたいものです。しかし冬は日の当たる時間が短く、気温も低いため、一年の中でも布団を干す機会が多くないかもしれません。 また肌に触れるシーツや毛布、そして汗取りパッドは、定期的に洗濯を行いたいものです。 しかし気温が低く洗濯物が乾きにくいため、頻繁に洗濯が行いにくく、毛布やパッドなどは長期間、 洗濯をしないまま使い続けることがあるかもしれません。 暖かい室内で使用される寝具類においては、洗濯の回数が少ないと、ダニが増え、その糞(ふん)や死骸が布団の中に溜まっていくことが考えられます。そして人のフケや垢などのダニの餌となるホコリも増えていき、よりダニが増えやすい環境になることも考えられます。
一年の中でも冬はダニが少ない、ということが知られています。近年の気密性が高く断熱性能が高い住宅で、暖房や加湿器を用いた場合、室内は暖かく湿度も保たれ、人にとって快適な環境が保たれます。 このような室内で、湿気を帯びた布団を使用した場合、布団の中では、冬でもダニの活動が続くことが考えられます。
布団からダニの糞(フン)や死骸を減らす方法として、掃除機がけや布団の丸洗いは効果的な方法です。また乾燥機を用いた熱処理もダニ対策には効果が期待できます。掃除機がけを行う際には、1平方メートルあたり20秒〜30秒ほどの時間をかけて吸引し、寝具表面のホコリを取り除きます。シーツなどは1〜2週間に1回程度、洗濯を行いたいものです。家庭では洗いにくい掛け布団や毛布などは、コインランドリーで洗濯と乾燥を行うことができます*。乾燥機は布団をダニが死滅するほどの高温で加熱するため、寝具に生息するダニがいた場合でも、そのダニを死滅させる効果が期待できます。また家庭用の布団乾燥機も、布団の乾燥とダニ死滅の効果が期待されます。
*:丸洗いや乾燥が行えない寝具もあります。製品縫い付けのタグ等で、洗濯や乾燥の条件を確認してください。
寒い冬は、窓を開けて行う換気の回数が減りがちです。寝具にダニが多い場合、布団の上げ下ろしやベッドメイクの際には、 ダニの糞(ふん)や死骸を含むホコリが舞い上がることがあります。 寝具への掃除機がけや丸洗いは、空中に舞い上がるダニの糞(ふん)や死骸を減らすことに役立つと考えられる方法です。
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